POMタップ加工で失敗しないための完全ガイド|割れ・バカ穴を防ぐ実務ポイント徹底解説

POM(ポリアセタール)は、高い強度と摺動性、優れた寸法安定性を兼ね備えたエンジニアリングプラスチックとして、機械部品や精密機構部品に広く使用されています。その一方でPOM タップ加工 ポイントを正しく理解していないと、「ねじ山が潰れる」「割れが発生する」「すぐにバカ穴になる」といったトラブルが頻発します。本記事では、POM特有の材料特性を踏まえたタップ加工の基本から、現場で差がつく実践的な加工条件、設計段階での注意点までを体系的に解説します。
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目次

POMとはどのような樹脂材料か

POMは「Poly Oxy Methylene(ポリアセタール)」の略称で、結晶性樹脂に分類される高機能プラスチックです。金属に近い機械特性を持ちながら、軽量で加工性に優れる点が最大の特徴です。

POMの基本特性

  • 高い引張強さと剛性
  • 優れた耐摩耗性・摺動性
  • 吸水率が低く寸法安定性が高い
  • 切削加工性に優れる

一方で、結晶性樹脂特有の割れやすさ(応力割れ)という弱点も持ち合わせています。この性質こそが、タップ加工で最も注意すべきポイントの一つです。

POMにタップ加工が多用される理由

POMはねじ締結が必要な部品に非常に多く使用されます。例えば、ギア、スライダー、治具部品、医療機器部品、搬送装置部品など、分解・組立が前提となる箇所ではタップ加工が不可欠です。

POMタップ加工が選ばれる主な理由

  • 金属インサートを使わず直接ねじ加工できる
  • 切削抵抗が小さく加工が安定する
  • 量産に向いたコストパフォーマンス

ただし、金属と同じ感覚でタップ加工を行うと、ねじ山の塑性変形や割れが発生しやすくなります。

POMタップ加工で発生しやすい代表的なトラブル

ねじ山の潰れ・バカ穴

POMは金属に比べて材料が柔らかいため、下穴径が小さすぎたり、締結トルクが過大になると、ねじ山が簡単に潰れてしまいます。特に量産現場では、組立工程での締め過ぎによるバカ穴化が多発します。

タップ加工時の割れ

POMは応力集中に弱く、タップ加工時の切削熱と内部応力が重なることで微細なクラックが発生することがあります。この割れは外観では分かりにくく、使用中に破損する原因になります。

ねじの緩み・保持力不足

樹脂特有のクリープ現象により、長期使用でねじの保持力が低下するケースも少なくありません。

POMタップ加工の最重要ポイント「下穴径」の考え方

POM タップ加工 ポイントの中で最も重要なのが、下穴径の設定です。金属用の標準下穴径をそのまま使用すると、ねじ山の盛り上がりが不足したり、逆に応力が過度に集中して割れの原因となります。

下穴径が小さすぎる場合のリスク

  • タップ抵抗が大きくなる
  • ねじ周辺に割れが発生しやすい
  • 締結時に応力集中が起こる

下穴径が大きすぎる場合のリスク

  • ねじ山が十分に形成されない
  • 初期トルクが極端に低下
  • 早期にバカ穴化する

推奨される下穴径の目安

ねじサイズ 金属用下穴径 POM推奨下穴径
M3 2.5mm 2.6〜2.7mm
M4 3.3mm 3.4〜3.5mm
M5 4.2mm 4.3〜4.4mm

このように、POMでは金属より0.1〜0.2mm大きめの下穴が基本となります。

使用するタップ工具の選定ポイント

タップ工具の選定も、POM加工の成否を左右する重要な要素です。

切れ味重視の刃形を選定

POMは切削抵抗が小さい一方、刃が鈍ると塑性変形によるねじ潰れが発生します。鋭利な刃先形状の樹脂専用タップ、もしくは超硬製タップが有効です。

スパイラルタップとポイントタップの使い分け

  • 止まり穴:スパイラルタップ
  • 貫通穴:ポイントタップ

切り粉処理が適切でないと、ねじ面に傷が入り、保持力の低下につながります。

POMタップ加工における切削条件の最適化

回転数と送り速度の考え方

POMは高速回転でも加工可能ですが、切削熱がこもると割れのリスクが高まります。中速回転・低負荷送りが安定加工の基本です。

切削油の使用は必須か

原則としてPOMはドライ加工も可能ですが、量産や高精度加工では水溶性切削油の使用が推奨されます。切削熱の低減と切り粉排出性が大きく改善します。

設計段階で押さえるべきPOMタップ加工の注意点

有効ねじ長さの設計

POMは金属に比べて引き抜き強度が低いため、ねじ径の2〜2.5倍以上の有効ねじ長さを確保するのが安全設計の基本です。

肉厚と端面距離

ねじ周辺の肉厚が薄いと割れが発生しやすくなります。ねじ中心から外周までの距離は、最低でもねじ径の1.5倍以上を確保しましょう。

インサート併用という選択肢

繰り返し脱着や高トルク締結が必要な場合は、金属インサートの併用も有効です。

POMタップ加工と他樹脂との違い

ABSやPC、ナイロンなどの汎用樹脂と比較すると、POMは切削性に優れる一方、割れリスクが比較的高いという特徴があります。

量産現場で発生しやすい品質トラブル事例

  • 締結トルクのばらつきによる初期不良
  • 組立工程での過負荷締結
  • 自動タッピング時の切り粉詰まりによるねじ不良

これらはすべて、下穴径設定・切削条件・工具管理の基本を徹底することで防止可能です。

POMタップ加工の品質を安定させる管理ポイント

  • 下穴径のロット管理
  • タップ工具の寿命管理
  • 締結トルクの数値管理
  • 加工温度の監視

これらを工程管理に組み込むことで、量産時の不良率を大幅に低減できます。

よくある質問

Q1 POMのタップ加工で下穴径はどれくらい大きく取るべきですか?
POMは金属よりも材料が柔らかいため、標準下穴径より0.1〜0.2mm程度大きめに設定するのが基本です。小さすぎると割れやねじ潰れの原因となります。
Q2 POMタップ加工では切削油は必ず使用した方がよいですか?
単発加工であればドライ加工も可能ですが、量産や高精度加工では水溶性切削油の使用が推奨されます。切削熱の抑制と切り粉排出性が向上し、割れ防止に効果的です。
Q3 POMに金属インサートは必須ですか?
通常の締結回数であればPOMへの直接タップでも問題ありませんが、繰り返し脱着や高トルクが必要な場合は金属インサートの併用が安全です。用途に応じて使い分けることが重要です

まとめ|POMタップ加工は「下穴・工具・設計」の3点管理が成功の鍵

POM タップ加工 ポイントは、単なる加工ノウハウにとどまらず、設計・調達・製造すべてに関わる重要テーマです。下穴径の最適化、樹脂に適した工具選定、割れを防ぐ設計配慮。この3点を確実に押さえることで、バカ穴・割れ・緩みといったトラブルは大幅に低減できます。POMは正しく使えば金属にも匹敵する信頼性を発揮します。加工条件と設計思想をしっかりと理解した上で、安心してPOM部品を活用していきましょう。

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