超硬材質の種類と特徴一覧|用途別の選び方と加工のポイント

超硬材質の種類と特徴一覧|用途別の選び方と加工のポイント

超硬材質一覧」を探している方は、切削工具や金型の選定、または耐摩耗部品の材料選びで迷っているケースが多いのではないでしょうか。超硬材質は一般的な鉄鋼やステンレスとは異なり、タングステンカーバイド(WC)を主成分とし、コバルト(Co)などの結合材で焼結された高性能材料です。その種類は多岐にわたり、強度・硬度・耐摩耗性・耐熱性などの特性が異なります。本記事では代表的な超硬材質の一覧を紹介し、それぞれの特性や用途、選定時の注意点について詳しく解説します。

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目次

超硬材質とは

超硬材質とは、主にタングステンカーバイド(WC)を主原料とし、少量の金属結合材(コバルト、ニッケルなど)を加えて粉末冶金法で焼結した複合材料のことを指します。一般的な鋼材と比べて非常に高い硬度を持ち、耐摩耗性に優れるため、切削工具・金型・耐摩耗部品として利用されます。
硬度はHRA90以上と高く、熱にも強い特性があります。特に高温下での耐酸化性に優れているため、過酷な条件下での使用に適しています。
詳しい材質の規格については
JIS規格(日本産業規格)にも定義されています。

超硬材質の代表的な種類一覧

超硬材質にはいくつかの種類が存在し、用途に応じて選定されます。ここでは代表的な種類を整理して解説します。

WC-Co系超硬合金

最も一般的な超硬材質がWC-Co系合金です。タングステンカーバイドを主成分にコバルトを結合材として用いたもので、切削工具や金型に広く使用されます。コバルトの含有率が高いほど靱性が向上しますが、耐摩耗性は低下します。そのため、加工対象や切削条件に応じて組成比率が最適化されます。
詳しい比較事例は工具鋼の基礎知識記事でも紹介しています。

WC-Ni系超硬合金

WC-Ni系はコバルトの代わりにニッケルを結合材に用いたもので、耐食性に優れています。化学産業や食品産業など、腐食環境で使用される工具や部品に適しています。コバルトよりも若干靱性は低下しますが、錆びにくさを重視する場合に選ばれます。

TiC/TaC添加超硬

タングステンカーバイドに加え、チタンカーバイド(TiC)やタンタルカーバイド(TaC)を添加した超硬材質です。これにより耐熱性・耐摩耗性が大幅に向上し、鉄系材料やステンレス鋼など難削材の切削に用いられます。高温下での酸化にも強く、工具寿命の延長につながります。

微粒子超硬合金(ナノ粒子超硬)

粒径を1µm以下にした超硬材質で、より高い強度と耐摩耗性を実現します。精密加工や微細加工に適しており、金型や医療用工具などに利用されます。最新の研究ではナノスケール粒子を用いた超硬材質も登場しており、性能がさらに進化しています。

用途別にみる超硬材質の選び方

超硬材質を選ぶ際には、使用環境や加工対象に応じた特性を理解することが重要です。

切削工具用

超硬工具は旋盤、フライス盤、ドリルなどに用いられます。高速切削や難削材加工に対応できるため、生産性の向上に直結します。切削速度が速くなると摩耗が激しくなるため、耐熱性に優れたTiC/TaC添加超硬や微粒子超硬が選ばれる傾向にあります。

金型用

プレス金型や射出成形用金型では、長寿命化と耐摩耗性が求められます。WC-Co系の中でもコバルト含有率を調整したものや、TiC添加タイプが用いられます。特に自動車部品や電子部品製造においては、精度と耐久性が両立することが重視されます。

耐摩耗部品用

超硬材質は、ポンプ部品やバルブシート、ノズルといった摩耗しやすい部分にも利用されます。耐摩耗性に加え、腐食環境での安定性が必要な場合はWC-Ni系が選ばれます。

超硬材質の加工上の注意点

超硬材質は非常に硬いため、加工にはダイヤモンド工具が必要です。放電加工(EDM)が多用されるほか、研削加工も用いられます。切削加工が難しいため、形状や寸法の設計段階から加工方法を考慮することが重要です。
また、素材によっては脆性破壊が起きやすいため、衝撃荷重を避ける工夫も必要です。さらに、国際的な資源状況によってタングステンの供給が変動する点もあり、材料選定の際にはコストや調達性も考慮されます。

よくある質問

Q. 超硬材質とはどのような材料ですか?

A. 超硬材質は、タングステンカーバイド(WC)を主成分にコバルトやニッケルを結合材として焼結した高硬度の複合材料です。一般的な鋼材よりも耐摩耗性・耐熱性に優れ、切削工具や金型に幅広く利用されています。詳しい定義はJIS規格にも掲載されています。

Q. 超硬材質の代表的な種類には何がありますか?

A. 代表的な超硬材質には、一般的なWC-Co系、耐食性に優れたWC-Ni系、耐熱性を高めたTiC/TaC添加タイプ、精密加工向けの微粒子超硬合金などがあります。用途によって適切な材質が異なるため、選定の参考には工具鋼の基礎解説も役立ちます。

Q. 超硬材質はどのような用途に使われますか?

A. 主な用途は切削工具、プレスや射出成形の金型、ポンプやノズルなどの耐摩耗部品です。特に高速加工や難削材の切削において生産性を高める効果があります。

まとめ

本記事では、超硬材質一覧として代表的な種類や特徴を整理し、用途別の選び方や加工時の注意点を解説しました。WC-Co系からTiC/TaC添加超硬、微粒子超硬まで幅広く存在し、それぞれの特性が用途によって活かされます。超硬材質は加工業界に欠かせない存在であり、今後も技術革新とともに進化し続けるでしょう。
加工の詳細な事例や選定ポイントについては町工場とメーカーの加工事例集をご覧ください。

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