アルミニウムとは?種類と特性を徹底解説|純アルミと合金の違い・用途別の選び方

アルミニウムとは?種類と特性を徹底解説|純アルミと合金の違い・用途別の選び方

アルミニウムとは、鉄や銅に次いで利用される非鉄金属の一つで、軽量性や耐食性に優れた素材です。建築、航空、自動車、電気製品など幅広い分野で利用されています。本記事ではアルミニウムの種類と特性を詳しく解説し、純アルミとアルミ合金の違いや用途ごとの選び方について整理します。

金属加工のお悩みの企業様へ

大阪守口市にあるフィリール
切削・旋盤・フライス加工を得意とする金属加工製造業です。

金属加工製造に関することなら
フィーリルにお任せください。

目次

1. アルミニウムとは何か

アルミニウムは、元素記号Alで表される金属で、地殻中に豊富に存在しています。鉄に比べ比重が小さく、比重は約2.7(鉄の約1/3)と非常に軽量です。そのため輸送機器や航空機、建材など、軽さが求められる分野で重宝されています。

また、表面に酸化アルミニウムの保護膜(酸化皮膜)を自然に形成し、これが腐食を防ぐため耐食性にも優れています。電気伝導性や熱伝導性も高いため、電線や熱交換器にも利用されます。

1-1. アルミニウムの基本特性

  • 軽量性:鉄の約1/3の比重で、輸送効率に優れる。
  • 耐食性:酸化皮膜により腐食に強い。
  • 加工性:押出、プレス、切削、溶接など多様な加工が可能。
  • 熱・電気伝導性:銅には劣るが高い水準。
  • リサイクル性:再生アルミはエネルギー消費が少なく環境負荷が低い。

1-2. アルミニウムの弱点

一方で、アルミニウムにはいくつかの弱点もあります。

  • 強度が低い:純アルミは強度が小さく、構造材としては不十分。
  • 摩耗しやすい:硬度が低いため傷つきやすい。
  • 高温特性に劣る:300℃以上で強度が大きく低下。

こうした弱点を補うために、さまざまな合金化が行われています。

2. アルミニウムの種類

アルミニウムは大きく「純アルミニウム」と「アルミ合金」に分けられます。合金はさらに「展伸材(加工用合金)」と「鋳造材」に分類されます。

分類 主成分 特徴 代表的な系統 主な用途
純アルミニウム Al 99%以上 耐食性・加工性良好、強度は低い 1xxx系 電線、包装材、建材
アルミ合金(加工用) Al + Cu, Mg, Si, Znなど 強度や硬度を強化 2xxx, 5xxx, 6xxx, 7xxx系 自動車部品、航空機、建築構造材
アルミ鋳造合金 Al + Si, Cu, Mg 複雑形状の鋳造に適す ADC12など エンジン部品、機械部品
表:アルミニウムの分類と特徴

2-1. 純アルミニウム(1xxx系)

純度99%以上のアルミニウムを指し、耐食性と加工性に優れています。強度は低いため構造材としては限定的ですが、電気伝導性が高いため電線やコンデンサ、または包装材や建材に利用されます。

2-2. アルミ合金(加工用展伸材)

添加元素によっていくつかの系統に分けられます。

  • 2xxx系(Al-Cu合金):高強度だが耐食性に劣り、航空機に使用。
  • 5xxx系(Al-Mg合金):耐食性に優れ、海洋構造物や車体に利用。
  • 6xxx系(Al-Mg-Si合金):強度・加工性・耐食性のバランスが良く建築や自動車に多用。
  • 7xxx系(Al-Zn-Mg合金):非常に高強度で航空宇宙分野に利用。

2-3. アルミ鋳造合金

溶かしたアルミ合金を金型に流し込んで成形する鋳造用材料です。代表的なADC12は自動車エンジン部品や家電部品に広く利用され、複雑な形状に対応できます。

3. アルミニウムの特性

アルミニウムは軽量でありながら、合金化により強度を高めることができるため、非常に応用範囲の広い金属です。ここでは代表的な特性を詳しく見ていきます。

3-1. 耐食性

アルミは酸化皮膜により自然に表面を保護します。この皮膜は数ナノメートルと薄いものですが、化学的に安定しており、酸性やアルカリ性環境でも比較的耐性を示します。ただし海水や塩化物には注意が必要で、必要に応じて防食処理や合金選定が行われます。

3-2. 強度と硬度

純アルミは強度が低いものの、合金化および熱処理により強度を大きく向上させられます。7xxx系の超々ジュラルミンは鉄鋼に匹敵する強度を持ち、航空機やスポーツ用品に利用されます。

3-3. 加工性

アルミは延性と展性が高く、薄板や箔、押出材など様々な形に成形可能です。切削性も良いため、切削加工の種類と特徴でも紹介しているように、NC加工や旋盤加工に適しています。

3-4. 熱・電気伝導性

アルミは銅に次ぐ高い電気伝導性を持ち、また熱伝導性も良好です。そのため電線やラジエーター、熱交換器に多用されます。

3-5. 耐熱性

アルミは高温になると強度が急激に低下するため、耐熱部材には不向きです。6000系や7000系でも200℃を超える環境では強度が問題になる場合があります。

4. アルミニウムの用途と選び方

アルミはその種類と特性に応じて最適な用途があります。以下に代表的な活用分野を示します。

  • 建築材:窓枠、外装パネル(6000系)
  • 自動車:ホイール、エンジン部品(ADC12、6000系)
  • 航空機:機体構造材(2000系、7000系)
  • 食品包装:アルミ箔(純アルミ)
  • 電気:電線、放熱器(純アルミ)

よくある質問

Q. アルミニウムはなぜ軽くて耐食性に優れているのですか?

A. アルミニウムは比重が約2.7と軽く、輸送機器や建材に適しています。また、表面に酸化皮膜を自然に形成し、腐食から金属を守ります。詳しくはアルミニウムの特性解説をご覧ください。

Q. 純アルミとアルミ合金の違いは何ですか?

A. 純アルミはAl99%以上で加工性と耐食性に優れますが、強度は低めです。アルミ合金はCu、Mg、Siなどを添加して強度や硬度を向上させ、自動車や航空機部品などに使用されます。Q. アルミニウムの代表的な合金にはどのようなものがありますか?
A. 代表的なアルミ合金には、加工用の2xxx系・5xxx系・6xxx系・7xxx系や鋳造用のADC12などがあります。それぞれ強度、耐食性、加工性に特徴があり、用途に応じて選定されます。

Q. アルミニウムを選ぶときのポイントは何ですか?

A. アルミニウムの選定では、強度、耐食性、加工性、用途環境を考慮することが重要です。純アルミは電線や建材向け、5xxx・6xxx系は自動車・建築、2xxx・7xxx系は航空宇宙向けに最適です。

5. まとめ

アルミニウムとは、軽量で耐食性に優れる金属であり、合金化することで強度や硬度を大幅に向上させることができます。種類ごとに特性が異なり、純アルミは加工性や耐食性を重視した用途、2xxx・7xxx系は高強度が必要な航空宇宙用途、5xxx・6xxx系は自動車や建築に最適です。環境負荷の小さいリサイクル性も注目されており、今後も需要は拡大していくと考えられます。

ご質問や加工相談はこちらから!

お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせはこちら

旋盤、フライス、切削加工、試作、短納期に強い大阪府守口市のフィリールへ。具体的な活用事例やご相談は以下からお問い合わせください。

金属加工のお悩みの企業様へ

大阪守口市にあるフィリール
切削・旋盤・フライス加工を得意とする金属加工製造業です。

金属加工製造に関することなら
フィーリルにお任せください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次